2019年12月13日金曜日

 

2020年度スクーリング情報⑤【ことばとコミュニケーション】課題図書紹介

課題図書紹介【ことばとコミュニケーション】 担当:信太光郎先生

・鷲田清一『ひとはなぜ服を着るのか』(ちくま文庫)

・橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』(ちくま新書)

橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』、鷲田清一『ひとはなぜ服を着るのか』

「美しい」とはどういうことでしょうか。たとえば味が美しいこと、つまり「美味しい」とは。それが、甘い、しょっぱい、辛いといった感覚刺激の一種ではないことは明らかです。しかしどんな感覚なのかと問われると、答えに窮してしまいます。味覚刺激をどう掛け合わせようと、「美味しい」はでてきません。(「旨い」とは違います。「旨い」の素はれっきとした化学物質です)。実際、「美味しい」というのは、あなたが口腔や鼻腔や食道の粘膜で感じるようなものでないのです。それはむしろ、あなたの身体の外側にひろがる感覚です。いうなら、美味しいと「誰か」に言いたい、美味しいと「誰か」に分かってもらいたい、美味しいから「誰か」にも食べさせてあげたい、そういった感覚が「美味しい」です。それは人と人の「あいだ」で感じられる感覚なのです。一般に「美しい」という感覚は、人間が人と人の「あいだ」を生きる存在であることに関わっているのです。

人間がこうして「あいだ」を生きる存在であるということは、人間が「服を着る」理由も説明してくれます。服というのは、体温調整機能をになった動物の毛皮のような、単なる生きるための実用品ではありません。人間にとって「服を着る」ことの本質的な意味は、身体表面というものを拡張することにあります。人間において身体とは、上皮細胞と粘膜によって囲まれた領域のことではなく、その表面のごく近くに引っ掛かった布地(第二の皮膚)を通じて、外側へと広がっていくものなのです。人間はその拡張された身体表面において、冷温感や触感という生理的皮膚感覚にとどまらず、「誰かのまなざし」も感ずるのです。こうした独特の身体感覚をもっていることもまた、「あいだ」を生きる人間存在を特徴づけています。

以上のことを念頭において、橋本氏、鷲田氏の本を読んでみてください。




投稿日:2019年12月13日カテゴリー

2019年12月12日木曜日

 

2020年度スクーリング情報④【ことばの習得と教育】課題図書紹介

課題図書紹介 【ことばの習得と教育】 担当:坂内昌徳先生

・白井恭弘『外国語学習に成功する人、しない人』(岩波科学ライブラリー、2004)

・竹内理『「達人」の英語学習法―データが語る効果的な外国語習得法とは』(草思社、2007)

1.『外国語学習に成功する人、しない人』白井恭弘著

「何年も勉強しているのに英語が使えるようにならない」という挫折感を多くの日本人が抱えています。しかし一方で、英語を使って国際的な舞台で活躍する人もいます。成功と挫折を分ける要因は何なのでしょうか。そして、どういう学び方をすれば、英語が身につくのでしょうか。この本は、これらの問いに答えてくれます。

「これさえやれば英語が話せる」というような宣伝を見聞きすることがありますが、実は科学的根拠に基づいたものは少ないのです。外国語習得の研究者である著者は、これまでの研究で分かったことを紹介しながら、学習のコツを具体的に提示しています。「なぜ」を理解し「どう」すればいいかが分かれば、学習はしやすくなると思います。この本は、大学入学後も継続して学ぶ英語と、新たに学ぶ第二外国語の学習を支える一冊です。


2.『「達人」の英語学習法』竹内理著

「外国語は幼いうちに始めた方がよい」とよく言われます。実際、中学校で学び始めて最終的に高いレベルの英語力を手に入れる人が少ないことは、調査でわかっています。しかしこのことを逆に見ると、少数だが存在する、とも言えます。「達人」と呼ぶべきその少数派に、この本は注目します。彼らは一体、どのような学び方で英語をマスターしたのでしょうか。

第1~2章は、外国語習得に影響を与える様々な要因(年齢や性格など)について、研究で判明していることを紹介します。この部分は、白井氏の著書と一部内容が重なります。第3~5章は、達人たちが実際に行なった学び方の共通点を導き出し、効果的な学習方法を探り出します。そこからわかるのは、短期間で楽に英語が身につくような魔法はない、でも努力の仕方に秘訣はある、ということです。日本に生まれ、日本で普通の英語教育を受け、長期の留学経験もない人が、どうして英語の達人になれたのか、あなたも知りたくありませんか?

投稿日:2019年12月12日カテゴリー

 

2020年度スクーリング情報③【考えること・表現すること】課題図書紹介

課題図書紹介 【考えること・表現すること】 担当:文景楠先生

・野矢茂樹『はじめて考えるときのように』(PHP文庫、2004)

・山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(PHP新書、2001)

「考えること」と「表現すること」は、どちらもありふれたことに思えます。この文章を読んでいる皆様は、日々何かを考え、そして表現しているはずです。例えば、「お腹が空いた」と頭で考え、「ご飯が食べたい」と誰かに向かって表現することがそうです。すでにできている当たり前のことなら、大学に入ってまで学ぶ必要はあるのでしょうか?

とはいえ、「じゃあ「考えること」や「表現すること」ってなんですか?」とまじめに聞かれると、なかなかいい答えは浮かんできません。それに、「きちんと考えなさい!」や「分かるように表現しなさい!」といった小言を聞いた経験を思い出してみてください。そういうときに、いったい何をどうすればいいのかがわからず、困ったことはありませんか?だとすれば、私たちは結局、「考えること」や「表現すること」が本当は何なのか、よくわかっていないようです。


学院で先に学んでいる大学生のお姉さんお兄さんたちも(本当のことをいうと私も)、「自分の考え」をもち、それを「他人にわかるように表現」するために苦労しています。今回の課題図書二冊を通して皆様にお願いしたいのは、「考えること」と「表現すること」という一見当たり前でありふれた事柄に対する自分の無知を認め、それに少しばかりゆっくり向き合ってみることです。ちなみに、どちらの本も高校生の皆様に十分楽しく読んでいただけるものを選びました。怖い先生が書いた本じゃないので、安心して取りかかってください。

二冊の本は、スタイルがかなり違います。共通しているのは、どちらにも「こうすれば満点!」といえるような安直な答えは用意されていないという点です。そもそも大学での学びは、正解が用意されているテストのようなものではないのです。大学の先生は、以前にも増して皆様に「君の考えは?」や「もっときちんと表現してくれませんか?」と聞いてくるでしょう。まだイメージがわかないかもしれませんが、とりあえずこの二冊を読み、「すっきりしないな。でもなんだか面白そう!」という気持ちで大学にいらしてください。

後は色々とおしゃべりしながら、一緒に「考えること」や「表現すること」とは何かを考え、表現していきましょう。

投稿日:2019年12月12日カテゴリー

2019年12月11日水曜日

 

2020年度スクーリング情報②【ことばの分析】課題図書紹介

課題図書紹介 【ことばの分析】 担当:岸浩介先生

・黒田龍之助『はじめての言語学』(講談社現代新書、2004)[電子版も可]

・広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険―子どもに学ぶことばの秘密』(岩波書店、2017)[電子版も可]

私たちは普段から何気なく「ことば」を使って生活しています。この「何気なく使っている」という事実があるため、「ことば」の使用はいわば「当たり前のこと」として見過ごされがちですが、少し視点を変えて考えてみると様々な問いが浮かんできます。いくつか例を挙げてみましょう。



 例えば、私たちは、今まで一度も発したことのない文を発することができますし、今まで聞いたことの無い文であっても理解出来ます。これはいったいなぜなのでしょう。また、私たちは、子供の頃に日本語の文法規則を誰からも教わらずに育ったにも関わらず、自由に日本語を使いこなせています。なぜこのようなことが可能なのでしょう。確かに国語の授業やテレビ番組などで「こういうときにはこういう日本語を使う」という風に「正しい日本語の使い方」を部分的に教わる、あるいは知識として取り入れることはありますが、果たしてその知識だけでこのようなことは可能になるでしょうか。

 次に外国語について考えてみましょう。「英語の文を作るときは、こういう順番で単語を並べる」とか「この形容詞はこの名詞を修飾できない」ということは習うことがありますが、「『なぜ』そうなっているか」についてはどうでしょう。「英語の文法にそういう規則があるからだ」という説明を受けることがあったかもしれませんが、ではその「英語の文法」に「なぜ」そのような規則があるのでしょう。また、英語と日本語では多くの相違点が見られると言われますが、共通点は本当に存在しないのでしょうか。  上で述べたような問いに解答を試みるのが言語学の目標です。もちろんここでの問いは、わたしたちの「ことば」について問題にされることのほんの一部であり、様々な問題が「ことばの研究」の考察対象になりえます。これも「ことば」ということば自体がとても広い意味を持っており、各国の文化研究や外国語習得論、さらには脳科学といった様々な領域と密接に関連しているからです。スクーリングの課題図書として挙げた2冊は、この「ことばの研究」という極めて幅広い学問領域に最初の一歩を踏み出すための良いきっかけとなります。これらの本を出発点にして「ことば」に対する理解を深めれば、言語文化学科でのより深い学びにつながるでしょう。

投稿日:2019年12月11日カテゴリー

 

2020年度スクーリング情報➀

言語文化学科に合格されたみなさん、おめでとうございます。

今は大学生活への期待も高まる時期かと思います。これからの4ヶ月は、大学生活にとって重要な準備期間となります。それは勉学についても、それ以外の活動についても同じです。どうぞ一日一日を充実したものにしてください。

言語文化学科では入学前の準備教育として、「スクーリング」と呼ばれるイベントを実施しています。お手元に既に資料が届いているかと思いますが、日程・場所は以下のようになっています。必ず出席してください。

日時:2020年3月7日(土)9:30-14:45
場所:泉キャンパス2号館224教室ほか

2号館はここです↓



※      ※       ※

<当日のプログラム>

Ⅰ.9:30~10:00 学科長挨拶、学生の自己紹介(2号館224教室)

①「ことばの分析」(岸浩介先生、32A教室

②「考えること・表現すること」(文景楠先生、32B教室

③「ことばの習得と教育」(坂内昌徳先生、32C教室

④「ことばとコミュニケーション」(信太光郎先生、32I教室)

Ⅲ.11:10~12:00 〈課題2〉に関するセミナー part2

①「文化のしくみ」(津上誠先生、32A教室)

②「日本の言語文化」(房賢嬉先生、32B教室)

③「中韓の言語文化」(金永昊先生、32C教室)

④「英米の言語文化」(秋葉勉先生、32I教室)

⑤「独仏の言語文化」(宮本直規先生、32J教室)

 ( 12:00~12:50 昼食 )

Ⅳ.13:00~13:45 優秀卒業論文発表会( 第一部 2** 教室 )

Ⅴ.14:00~14:45 優秀卒業論文発表会( 第二部 2** 教室 )


投稿日:2019年12月11日カテゴリー

2019年10月31日木曜日

 

今日の国際交流サロン

毎週木曜日は、言語文化学科に来ている留学生を交えて、「国際交流サロン」という交流会が行われます。本日はどんな様子だったか、少しお邪魔してみました。


タイからの留学生からタイ語を学んでいます。

ドイツから来た3人の留学生と「FRESKO」というゲームをしています。ドイツの地図を囲んで、ドイツ語でゲームのルールについて説明を聞いているようです。

韓国から来た留学生と부루마블(ブルーマーブル)というゲームをしています。日本版不動産王みたいなものかな?これで韓国での買い物は完璧に出来そうです。

中国語組は真面目に勉強していますね。しかし、お菓子もあって、ハロウィンデーらしき帽子を被った学生も見えます。


「国際交流サロン」は誰にもオープンなので、ぜひ参加して、留学生との交流を深めてください。

投稿日:2019年10月31日カテゴリー

2019年10月27日日曜日

 

2019年度第3回講演会のご案内


投稿日:
2019年10月27日
カテゴリー

2019年10月13日日曜日

 

2020年度「原典講読」担当教員(予定)

2020年度「原典講読」の担当教員は下記になる予定です。
3年生向け演習の予備登録をする際の参考にしてください。

・ドイツ語:門間俊明先生
・フランス語:新任教員
・中国語:塚本信也先生
・韓国朝鮮語:金永昊先生
・英語:デール・アンドリューズ先生
・英語:信太光郞先生
・英語:房賢嬉先生
・英語:渡部友子先生(前期)/岸浩介先生(後期)
・英語:新任教員(国際政治)
・英語:新任教員(美術史)

投稿日:2019年10月13日カテゴリー

2019年9月30日月曜日

 

「海外で日本語を教える」の講演会が大盛況で終わりました。

9月26日(木)に泉キャンパス2号館226教室で行われた「海外で日本語を教える」の講演会が大盛況で終わりました。


佐伯先生による講演者の紹介

みんな一生懸命に話を聞いていました。本当に充実した講演会でした。

講演会終了後には活発な質疑応答が行われました。

海外で日本語を教えることへの関心は高いな、と改めて思いました。

講演会終了後にも先生への質問、感想などを一生懸命に書いていました。
投稿日:2019年9月30日カテゴリー

2019年9月20日金曜日

 

【新任教員の紹介】房賢嬉先生(日本語学・日本語教育学)

<Q1> 「お名前」をお教え下さい。

房賢嬉(ばん ひょんひ)です。

<Q2> 「ご専門(あるいは担当科目)」をお教え下さい。

専門は日本語学、日本語教育学です。

<Q3> 好きな食べ物は何ですか。

「お父さんとお母さん、どっちが好き?」のように、答えに困る質問ですね。食べ物は全般的に好きです(笑)。

<Q4> 好きな映画を紹介してください。

『Billy Elliot(リトルダンサー)』という映画が好きです。イギリス北部の炭鉱町に住むビリーエリオットという少年が様々な逆境を乗り越え、立派なバレエダンサーへと成長する物語です。イギリスのジョージ王子がバレエ好きとして知られているほど、今はバレエ男子も増えてきていますが、映画の舞台になっている1984年のイギリスでは「バレエは女子がやるもの」という認識が根強くあったようです。このような社会の偏見、家族の反対、不況、貧困という厳しい状況の中でも、少年はバレエへの思いを募らせます。猛反対していた父親も息子の真剣な踊りを見て、ビリーを支えてあげようと決意します。ここからが泣けます。この映画の背景には、炭鉱労組のサッチャー政権に対する合理化反対闘争があり、ビリーの父と仲間たちはストライキを繰り返します。しかし、ビリーの父は息子の夢のためにストライキをやめ、仲間を裏切ろうとします。お父さんがスト破りをして炭鉱に戻るシーンは、今でも涙なしでは見れません。アダムクーパーが演じる大人のビリーが登場する最後のシーンは圧巻です!何度見ても飽きない大好きな映画です。

<Q5> 最近嬉しかったことは何ですか。

七夕まつりを見たことです。赴任する前に何度か仙台を訪れましたが、七夕まつりの時期と微妙にずれてしまい、七夕飾りを鑑賞することができませんでした。通りを彩る様々な飾りを見て感動しました。これが今年の飾りです!





<Q6> 感銘深く読んだ本と学生に推薦したい本をお教えください。

たくさんあって、選びにくいですね...。時々思い出す本は、子どもの頃読んだ『ぼくらの未来: 花たちに希望を(Hope For the Flowers)』です。絵本ですが、人生とは何なのか深く考えさせられる内容です。推薦したい本は、『暇と退屈の倫理学(國分功一郎著)』です。大学院時代の仲間たちとゆるい読書会をしていますが、今年の春に読んだのがこの本です。暇と退屈についてこんなに深い考察ができるんだーと感心しながら読みました。少し難しいですが、面白いです。

<Q7> 研究者(あるいは教員)を志したのはいつですか。

学部生の時からだと思います。きっかけは、大学3年生のときにとった「日本語音声学」という授業です。前期は音声学の基礎的な知識を学び、後期は前期に学んだ知識を活かして好きな文章を朗読し、録音したものを提出するという授業でした。その授業を通して自分の発音が上達したことに気づきましたが、そのときに「それはなぜなのか」という問いが生まれました。その問いがのちに博士論文になりました。

<Q8> 学院大(生)のよいところをお教え下さい。

学生によってよいところが異なりますので、一言では表せません。

<Q9> 学生時代に印象に残った先生について教えてください。

大学院時代の指導教官です。先生から、「社会的弱者やマイノリティーを支えるための日本語教育」、「人がより人間らしく生きるための日本語教育」について学びました。言語活動と人間活動は一体のものであり、「言語のあり方の良さ=人の生き方の良さ」ということを学んだおかげで、日本語教育に対する視野が広がったと思います。

<Q10> 異文化“誤解”のエピソードがあればお教え下さい。

大学院時代のエピソードです。知り合いのおばあさんが骨折で一か月以上入院すると聞き、お見舞いに行きました。病室で少しでも長く楽しんでもらおうと思い、リーガスベコニアの鉢植えを持っていきました。付き添っていたおばあさんの息子さんに鉢植えを渡したら、とても困った顔で、「これは家に持って帰りますね」と言われたのです。当時は理由が分からず息子さんの行動が理解できませんでした。後日、日本では「鉢植えの花」を持ってお見舞いに行くことがタブーとされていることを知りました。人(または、その人が属している文化)によって「鉢植えの花」に対する意味づけがこんなにも違うんだと改めて感じました。私は「鉢植えの花」を「長生きする=元気=縁起がいい」ととらえていたのに対し、おばあさんの息子さんは、「根付く=寝付く=縁起悪い」ととらえていたのです。文化や言葉の違いが価値観の違いを生み、それが誤解につながると感じたエピソードです。

<Q11> 赴任以来、「なんでやねん」と思わずツッコんでしまった出来事はありますか。

icscaが自販機やコンビニの買い物に使えないことです。suicaやpasmoは使えるのに「なんでやねん!」と思いました。

<Q12> 五月病に悩む学生へ一言、「こうしてごらん」。

ゆるく生きましょう。五月病になりやすい人は、きっとまじめで頑張りすぎる人だと思います。なんでもきっちりしようと思うから、不安になったりストレスをためやすくなったりすると思います。少し失敗してもいいし、無駄なことをする時期があってもいい。気楽にやりましょう。

投稿日:2019年9月20日カテゴリー

2019年9月17日火曜日

 

2019年度第2回講演会案内



投稿日:2019年9月17日カテゴリー