[コラム3]英語の後にドイツ語を習うということ(門間俊明先生)
今日は、言語文化学科でドイツ語を教えている門間俊明先生から、外国語修得のためのアドバイスとして、ドイツ語についての話を聞きました。学生たちは高校生まで英語を6年以上勉強した後、本学科に入って本格的に独・仏・中・韓の第二外国語をしっかりと学ぶことになります。それでは、「英語の後にドイツ語を習うということ」はどういう意味を持つのでしょうか。
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語学の学習という観点から自分の学生時代を振り返ると、客観状況としては、人生の比較的早い段階に、英語、ドイツ語という二つの外国語を相前後してそこそこ集中的に学習したということになります。ここでは自分自身の経験に基づいて、最初は英語、その後にドイツ語という順序で学習したことのメリットについて考えてみたいと思います。
言語の歴史からすると、ドイツ語と英語は非常に近しい間柄にあって、語彙から文法のレベルまで似通った点がたくさんあります。例えばdrink/trinken、come/kommen、apple/Apfel、garden/Gartenなど、単純に対応する語彙を並べていけば、枚挙にいとまがありません。ドイツ語を学び始めたばかりの私にとって、これらの対応関係を見つけて確認すること自体が単純に楽しかったのを覚えています。外国語学習の初期段階で新しく単語を覚えるというのは根気のいる困難な作業ですが、このように英語の後のドイツ語では、その困難さが大きく軽減されることになります。
あるいは、文法の枠組みが似通っているというのも大きなメリットかもしれません。例えば、英語の関係代名詞を知らない人が全く白紙の状態でドイツ語の関係代名詞を習った場合、相当な困難を伴うでしょうが、英語の文法知識を持った人であれば、さほどでもないはずです。つまり、使われる単語がたとえ違っていても、文法全体の枠組みや個々の文法のロジックが共通しているので、ドイツ語の習得が容易になるのです。
英語の後にドイツ語の習うことのメリットは他にもたくさんあるのですが、一般に中学高校で英語を勉強し、大学でそれ以外の外国語を勉強したという場合、二つ言語の学習経験は全く独立した別のものと思われがちです。しかし、実際には両者は大きく重なり合い、依存し合っているように思われます。ひょっとしたらその点に、大学で英語以外の外国語を学ぶ意味が隠されているのかもしれません
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